大規模修繕工事で使用される塗料とは?異臭トラブルを防ぐ塗料
大規模修繕工事はマンションと入居者の暮らしを守るためにとても大切な工事ですが、トラブルが起こってしまうことも少なくありません。
トラブルの要因にはさまざまなものがあります。
- 塗料などの異臭
- 騒音
- 足場設置によるプライバシーの侵害
- 工期が長い
このようなことがトラブルに発展するのを防ぐためにも、マンションの管理側は事前準備を行ったり入居者へ説明したりすることが不可欠になってきます。
このような準備以外の部分でもトラブルを防ぐために、最近では工夫された建材なども開発されています。今回は塗装工事の際に使われる塗料と、臭いを抑えた最新の塗料についてご紹介します。
塗装工事とは
塗装工事とは、外壁や鉄部分を雨風などの外部環境から守るため行われる工事です。
外壁には塗装することで防水効果が付き、雨などが建物内部に侵入してくるのを防げます。鉄部分は塗装で雨から守ることにより、錆びを防止することにもつながります。
塗装工事はマンションや住宅の修繕工事において必須の工事です。
塗料種類について
塗装に使われる塗料にはいくつか種類があります。
種類 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
アクリル | 5~7年 | 塗料の中でも安価で、外壁よりもプラモデルなどの塗装によく使われている。長持ちしなくてもいい、出来るだけ安く済ませたい塗装におすすめ。 |
ウレタン | 8~10年 | 柔らかい塗料で密着度が高く、場所を選ばすさまざまな用途に使うことができる。価格も比較的安価。 |
シリコン | 10~12年 | 現在住宅の外壁塗装に最も使われている塗料。汚れや紫外線に強く、耐久性も高い。価格と機能性のバランスが良く、人気がある。 |
ラジカル | 12~15年 | コストパフォーマンスが非常に高い塗料。紫外線や雨による劣化に強く、外壁の表面に白い粉が出てくるチョーキング現象が起こりにくい特徴がある。 |
フッ素 | 15~20年 | ビルや商業施設などの大きな建物によく使われている塗料。他の塗料に比べて価格は高いですが、耐久性に非常に優れている。 |
光触媒 | 15~20年 | 次世代塗料として開発されたもので、太陽光と雨で汚れを洗い流したり、空気を浄化したりする機能をもつ。 |
塗装する建物の用途や耐用年数、予算によって最適なものを選ぶことになります。
しかし、どの塗料からも刺激に差はあれど強い臭いが発生するため、塗装工事の際は対策が必須になります。
臭いが発生しにくい塗料
大規模修繕で塗装工事による異臭トラブルを防ぐのに有効な臭いの少ない塗料が開発されています。一般的な塗料は揮発性で蒸発しやすい性質があるため空気中に臭いが広がりやすいですが、その揮発の性質を抑えることにより臭いの発生を抑えています。
このような塗料はトラブル防止につながるのでとても優秀ですが、工事内容によっては防水効果の面や下地の建材の関係で使えないこともあります。
使用する塗料は業者とよく相談して選択するようにしましょう。