容積率に注意!マンションからホテルに転用するときの問題を解説
東京オリンピックが決まっていることもあり、日本ではホテルの需要が非常に高まっています。そのためマンションをホテルに転用するケースも増えてきていますが、ホテル転用には法律や他の入居者など気をつけないことが多々あるためトラブルになることも少なくありません。
今回はマンションをホテル転用する際に問題になりがちな点を解説していきます。
容積率の問題
容積率とは
容積率とは、敷地の面積に対する建築物の延床面積の割合のことを指します。
例えば2階建の住宅が敷地100㎡に建てられていたとします。このとき1階の床面積が80㎡、2階の床面積20㎡だとすると延床面積は100㎡となり容積率は100%ということになります。
容積率には制限がある
容積率には制限があります。これは用途地域によって異なり、人々が快適に生活するためにも重要です。
例えば閑静な住宅街に住んでいたとして、隣に大きな工場ができてしまった場合どのような気分になるでしょうか?工場ができる前から住んでいた人にとっては、今までと同じ生活を続けられなくなる原因になってしまうかもしれません。
このような事態を防ぐため、各地方自治体によって用途地域というものが決められており、「この容積率以上の建物を建ててはいけない」といった決まりが定められています。
マンションとホテルの容積率の違い
マンションには容積率の特例がある
容積率が指定されている用途地域の中でも、特例になるケースがマンションです。マンションには共用部分が延床面積から除外されるという特例があります。マンションの共用部分には、例えば下記のような場所があげられます!
- エントランス
- 廊下
- 階段
- 各部屋のバルコニー
容積率が決まっている地域でも、これらの共用部分を除いた延床面積で計算できます。
ホテルには容積率の特例が適用されない
ホテルではマンションの特例条件はあてはまりません。共有スペースなどもすべて容積率として計算しなければならないのです。そして、ほとんどのマンションがその特例を利用して計算された容積率で設計・建設されています。
よって特例を利用したマンションからホテルへの転用をしようとした場合、容積率をオーバーした建物とみなされ用途変更ができないということになってしまいます。
しかし、近年では容積率の緩和が注目されています。各自治体によって容積率の緩和を実行するのかやどこまで緩和されるかなどは違いますので、転用を考える場合はしっかりと調べておきましょう。