大規模修繕の定義とは?修繕と改修は何が違うの?
マンションに関わっていると「大規模修繕」という言葉を耳にするかと思います。
何となくマンションを修繕する工事、という印象はあるかもしれませんが、例えば部屋数の少ないアパートの修繕は”大規模”修繕というのでしょうか?
また、大規模修繕では「修繕」と同時に「改修」を行うことがありますが、このふたつはなにが違うのでしょうか?
今回はそれぞれの言葉の意味や定義などを詳しくご説明します。
1. 大規模修繕の定義
そもそも大規模修繕とは?
マンションを含めすべての建物は時間が経つと老朽化してきます。外壁や設備など見える部分、また配管など目には見えない部分もです。これは建物である以上は避けられません。
マンションが老朽化すれば住んでいるうちに誰かがケガをするなどの問題が起こる可能性があります。そんな重大な不具合が発生するのを防ぐため、管理組合は計画にもとづいて定期的にマンションの修繕工事を行います。
中でも規模が大きく、費用も高額で長期間にわたっての工事が必要なものを大規模修繕と呼びます。
どのような規模からが大規模修繕?
建築基準法、第2条14号には、「大規模修繕(とは)建築物の主要構造部の一種以上について行う河畔の修繕という」と記載があります。
主要構造部とは壁、柱、床、はり、屋根、階段のことを言います。
この主要構造部の半分以上を修理、取り換えすることになると大規模修繕になります。
2. 修繕と改修の違いは?
修繕は新築当初に近づける
修繕とは、劣化したり不具合が発生した建物の修理や取り換えを行い、問題なく利用できる状態にすることを指します。
今壊れているもの、壊れそうなものを元に戻すイメージです。
修繕の目標は応急処置的に直すことではなく、建物を新築当初のレベルまで回復させることです。
改修はグレードアップ
これに対して改修とは、設備機器の性能や機能の向上を目的としたいわば改良(グレードアップ)工事とになります。
今あるものに新しく付加価値をつけるイメージです。
時代の進歩によって、マンションの性能は格段に飛躍しています。それに伴って建物全体の性能を改善していくことを「改修工事」と呼びます。
3.状況によって修繕と改修は使い分ける
大規模修繕は数年~十数年の周期で行っていくものですが、どこかのタイミングで修繕だけでは足りなくなる部分が出てくるかもしれません。
時代に合わせて適切な改修も行い、マンションの価値を維持していきましょう。