2回目の大規模修繕工事の内容は?特徴や計画時の注意点
新築から10年以上経ったマンションは大規模修繕工事によって経年劣化による損傷を修繕します。この大規模修繕工事は一度行えばそれで終わりというわけではなく、マンションに人が住み続ける限り続いていきます。
1回目の大規模修繕と2回目以降の大規模修繕は工事の目的こそ同じですが、マンションの劣化具合が違うため内容が少し変わってきます。
今回は2回目以降の大規模修繕工事について解説します!
大規模修繕工事は定期的に行う
マンションに限らず、すべての建物は築年数を重ねるごとに劣化していきます。いつまでも快適に暮らしやすい環境を維持するには日頃からきちんとメンテナンスをしていくだけでなく、計画的にマンション全体の劣化や損傷を修繕する必要があります。この計画的な修繕を大規模修繕工事と言います。
大規模修繕工事は経年劣化に合わせて計画されるので一度行ったら終わりではなく、その後も約12年に1度のタイミングで行われます。マンション自体の寿命を延ばすためにも重要な工事です。
2回目以降の大規模修繕工事の特徴
工事箇所が増える
2回目の大規模修繕工事は1回目よりも築年数がさらに10年経過しているため、建物の経年劣化は進んでいます。1回目の時は修繕を先送りに出来る部分も多かったかもしれませんが、2回目の場合は劣化の進行から修繕が必要になる箇所が増えるでしょう。
2回目の大規模修繕工事で取り替えや修繕が必要な箇所には、例えば以下のようなものがあります。
- 屋上防水
- 集合郵便受け
- 宅配ロッカー
- 掲示板
- エレベーター
- 給排水設備
2回目の大規模修繕では1回目の内容にこれらが追加されるので、工事内容が増えると考えておきましょう。
必要な費用が増える
現地調査の結果想像以上に修繕箇所が多くなることもあるので、修繕積立金の残額はより気にしておく必要があります。これは1回目と2回目を比べてだけではなく、回数を重ねていくごとに増えていくと考えておいた方がいいでしょう。そのため資金計画を1回目と同様に行ってしまうと資金不足のリスクが高くなります。
大規模修繕工事の費用はマンションの規模や劣化状況によって異なりますが、おおよその概算を出す際は一戸あたり75~100万円が目安とされています。しかし2回目の大規模修繕工事では90~120万円が目安で2割ほど高くなる傾向があります。
資産価値とニーズの見直し
2回目の大規模修繕工事の時期はマンションの築年数が20~25年ほどになった頃なので、低下してきた資産価値の向上を検討するタイミングとちょうど重なります。よって大規模修繕工事と同時に改修工事を行うことで、マンションに必要な改善を加えると良いでしょう。
築年数が20年以上ということは、そこに住む入居者の方々の時間も20年以上経過しているということです。20年も経つと人の暮らしは大きく変わります。現在の入居者にとって必要な設備と不必要な設備を見極め、ニーズに合わせたより満足度の高いマンションを目指しましょう。どんな改修工事をするのかは入居者と合意形成を図ることが大切です。
優先順位を見極めて計画を!
2回目の大規模修繕工事は工事内容が増えるため、優先順位をつけて計画するのがより重要になります。修繕だけでなく資産価値を高めるための工事も必要になりますので、資金不足を避けるためにも早期から計画的に修繕積立金を用意していきましょう。