マンション建設前に必須?「地質調査技師」の役割とは
マンションは建設されてから大規模修繕工事などが定期的にあり、建物が健全に立っていられるようにしていますが、そもそも建設前にもたくさんの項目のチェック項目があるのです。建物が長い期間安全に立っていられるように、建設前に活躍する地質調査技師という方々います。
今回は地質調査技師がどのようなことを行なっているかご紹介します。
地質調査技師
地質調査技師とは
地質調査技士とは、建設に関わるボーリング操作や現場の工程管理、安全管理、調査を行った土質の解析・分析・判定、報告書の作成など知識や技能を認定する資格です。
安心・安全な住まいを実現するために地盤調査はとても重要です。住宅などを建てるにはそれを支える地盤が必要となります。そのため、事前にその土地の地盤が建築に適しているかを調べる地盤調査が行われます。
地盤調査を行わずに建物を建ててしまうと、建物が傾いたり一部の保険に加入出来ないなどさまざまな問題が発生します。地盤調査の結果、地耐力が基準値に達していればそのまま建築が可能ですが、達していない場合には地盤改良工事を実施しなくてはなりません。
地質調査技師の業務内容
地質調査技師には下記ような業務があります。
- 地質の情報を集める
- 調査地域を歩く
- 地下の地質構造を探る
- 地中の不可視の部分を掘る
- 地盤の物理的・力学的な性質を測る
- 上記の検査結果を整理する
- 地質の解析
- 全ての業務結果の報告
建物を安全に立てるためには、数多くの検査をクリアしなければいけません。
地質改良工事には種類がある
表層改良
地盤が強く支持層が浅い位置にある場合(地表から2m程度まで)に用いられる工法です。地表から支持層まで間の柔らかい土にコンクリートなどを混ぜ込み、地盤を硬くすることで沈下を防ぎます。
柱状改良
表層改良では対応できない深い位置に支持層がある場合(地表より8m程度まで)に用いられる工法です。特殊なドリルを使って地面に穴を空けながら、土とコンクリートを混ぜ込み支持層と地表までの間にコンクリート製の柱を作ります。
鋼管杭
柱状改良では対応できない深さ(地表より10m以上の場合など)に支持層が存在する際に用いられる工法です。鋼鉄製の杭を複数打ち込み支持層と地表の間に鉄柱を築いていきます。
非常に深い支持層まで杭を届かせることが可能なため、戸建住宅以外の鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅や、マンションなどでも施工されることが多いです。