2025年は大阪万博!関西の建築業界への影響は?
2020年の東京オリンピックの後は、2025年の大阪万博があります。同じ場所で2度目の万博が開催されるのは世界初だそうですが、大阪万博は建設業界にどのような影響をもたらすのでしょうか?
今回は大阪の万博開催によって予想される建築業界の動きについてお話します。
万博とは
そもそも万博にはどのような目的があるのでしょうか。国際博覧会条約では、次のように定められています。
博覧会とは、名称のいかんを問わず、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう。
博覧会は、二以上の国が参加するものを、国際博覧会とする。
(出典:国際博覧会条約)
つまり、ただ利益を目的として開催するイベントではありません。もちろん経済効果には期待できますが、それ以上に最先端の技術や文化を世界中に知ってもらうための発信の場となるイベントです。
インフラが大幅に整備される
2020年の東京オリンピックも開催間近になりました。東京オリンピックの準備を見ていても分かるように、会場の新設だけではなく周辺環境も整備されています。
オリンピックも万博も国際的な一大イベントです。来場者は日本人だけではなく、さまざまな諸外国の方が訪れることになります。それにともない、開催場所の周囲をはじめ、主要都市から開催地までのインフラも大きく整備されることが予想されます。
負の遺産と言われた舞洲に再び光が
過去のオリンピック誘致失敗による「負の遺産」夢洲とは
万博の会場になる夢洲(ゆめしま)は、かつて人口島として開発された場所です。
夢洲は過去の大阪オリンピック誘致失敗によって生まれたことから「負の遺産」と言われていました。予定していた鉄道用のトンネル工事は残り1kmのところでストップされており、現時点での夢洲へのアクセスはトンネルと橋による道路のみで、公共手段はバスしかありません。
今回の万博が決定する前から企業や学校に向けて誘致活動していたそうですが効果はなく、夢洲は現在まで負の遺産であり続けてきたのです。
夢洲周辺のインフラ整備
今回大阪万博が開催される事で、ストップされていた夢洲の開発工事がようやく再開されるようです。大阪メトロ中央線がコスモスクエア駅から夢洲まで延伸する計画であったり、その他のインフラ整備や会場建設費用に1250億円があてられることが予定されています。
大阪万博の経済効果は2兆円と想定されており、文字通り「負の遺産」が「有効な資産」になっていく過程にこれからも注目です。